持ち家は資産ではないと言う話をしました。

今回は、それを踏まえた持ち家のリスクについてお伝えできればと思います。
まだあるの?聞きたくない!
持ち家を検討するからこそ、リスクについては知っておくべきだと思います。
目次
1.4つのリスクとは
私は、持ち家には大別して以下のリスクがあると考えています。
- 金銭的リスク
- ローンのリスク
- メーカー選定のリスク
- 環境変化のリスク
2.金銭的リスク
①物件の資産価値の減少
前回お話ししました。
建物の資産価値は22年で0に、土地の価値しか残りません。
②ローン返済後も支払い続ける維持費
「ローンさえ払い終えれば、家は自分のものになります」
「毎月家賃を払うのはもったいないですよ」
確かにそうかもしれません。
しかし、家を購入すると、ローンの残債以外に
- 固定資産税
- 修繕(積立)費
- 火災(地震)保険
がかかります。
固定資産税
所有している土地・建物にかかってくる税金です。
毎年1回、または4回に分割して支払うことになります。
固定資産税評価額×1.4%=固定資産税額
固定資産税評価額は、立地や形状、大きさ、建物の材質などによって変わります。
また、固定資産税の減税措置が受けられる場合もあります。
土地の価値は下がらないけれど、建物の価値は下がっていくお話をしました。
固定資産税は経年とともに少なります。
建物、土地にもよりますが、年間10万円ほどかかると言われます。
修繕積み立て費
給湯器が壊れちゃった!
こんなとき賃貸では大家負担ですが、持ち家ではすべて自己負担になります。
新築から数年間の修繕費用は少ないですが、築10年以降、増えていきます。
中でも外壁塗装と水回り修繕が最も費用が高く、20年ごとに150万円ずつかかる場合もあるそうです。
建物の大きさにもよりますが、30年間でおおよそ600万から800万円と言われています。
いきなり大金を出すことは困難なので、マンションと同様に修繕費を貯めておく必要があります。
保険料
火災保険や地震保険に加入する場合、年額2~3万円かかると言われます。
税金や修繕費に比べると少ない負担になりますが、賃貸の火災保険の相場0.5~1万円と比較すると、年間2万円ほど高くなります。
維持費の総額
これらを合わせると、年間約40万円、ローン以外にかかります。
ローン返済後は、固定資産税は減少しますが、修繕費は上昇が予想されます。
住み続ける限り、毎年同額程度かかってくると考えてもいいでしょう。
40年住むと考えるとローン+約1600万円か
③会社からの家賃補助がもらえない
現在賃貸で、会社から家賃補助が支給されている方は、家を購入すると支給がなくなります。
戸建てのローン返済と家賃を比較する場合は、家賃補助も踏まえて比較する必要があります。
2.住宅ローンリスク
住宅ローンは未来の収入を担保にお金を借り入れます。
銀行からは、およそ年収の8倍程度まで借り入れることが可能だと言われています。
年収400万円の人は、約3200万円借りることができます。
しかし、ローンの審査に通る=返済可能額ではありません。
- 収入の変化
- 金利の変動(変動金利の場合)
これらの変化からローンが払えなくなり、自己破産する人も実際に出てきています。
3.メーカー選定リスク
近年物価高騰、賃上げが続く中、建築コストが急激に上昇しています。
コスト削減のため、住宅会社は企業努力を重ねています。
一方、初期コストを下げ過ぎるあまり、余計な修繕費がかかったり、
最悪の場合、
- 手抜き工事
- 耐震偽装
- 欠陥マンション偽装事件
- 太陽光発電トラブル
これらの被害に遭遇したりする可能性もあります。
4.環境変化によるリスク
①簡単に引っ越しができない
隣人トラブル
隣人ガチャと言う言葉も一時はやりました。
賃貸の場合は、自身が引っ越せば住む話ですが、持ち家の場合そう簡単にはいきません。
ゴミステーションを観察したり、近隣の人に意見を聞いたりしたよ。
入念に下調べをしてから購入した場合でも、後から近所に越してくる人までは調べられません。
転勤や転職
この会社、いいと思ったんだけど、家から2時間かかっちゃうなあ。
会社をクビになった、転職したいとなったとき、
条件のいい会社を見つけたとしても、自宅からの距離を理由に断念せざるを得ない可能性もあります。
家族形態の変化
子育て世帯で家づくりを検討している方は、子どもの独立によって部屋が余ることも考えていた方がよいです。
【家族構成】
夫(30)・妻(30)・子(6)・子(4)
【2階建て3LDKの家】
1階リビング、2階に主寝室子ども部屋×2
の家庭を考えると、
小学3年生から大学4年生まで子ども部屋を使ったとしても約16年。
夫(49)妻(49)のときには2人暮らしになります。
その後、30年、40年と部屋が余っている状態が続きます。
2階の上り下りが辛くなってきて、1階での生活になる可能性も。
賃貸だと、子育てのときだけ広い部屋に引っ越すこともできるね
他にも、両親との同居、離婚等で
持ち家をリフォーム、手放さなくてはいけない状況になるかもしれません。
②立地が不便になることが多い
同価格であれば、持ち家よりマンションや賃貸の方が駅近など、インフラが整っている好立地の場所に住むことができます。
まとめ
持ち家は
- 金銭的リスク
- 物件の資産価値の減少
- ローン返済後も支払い続ける維持費
- 家賃補助の消滅
- ローンのリスク
- 収入の変化
- 金利の変動
- メーカー選定のリスク
- 住宅会社とのトラブル
- 設備会社とのトラブル
- 環境変化のリスク
- 引っ越しのしずらさ
- 立地が不便になる可能性
が存在します。
「お得ですよ。」という言葉を信じて持ち家を購入するには、リスクが高いことがわかります。
それでもやっぱり、持ち家がほしいなあ
そう思った方々は私たちと同様、
家づくりにリスク以上の価値を見いだしていると言うことです。
お金は自分の人生を豊かにするために使うべきだと考えています。
ぜひ持ち家を検討してみてください!
注文住宅を検討する方にとって
少し気の重たくなるような話でした、、、
次からは持ち家のメリットについても考えたいです!