以前、賃貸か持ち家かというテーマについてお話ししました。

ここでいう持ち家とは、賃貸ではなく自身が所有しているマンションや戸建て住宅とします。
今回は、戸建て住宅の中でも、新築の注文住宅について考えていきます。
目次
1.注文住宅は、資産となるのか
結論、資産にはならない
えーーー!!
将来の資産って言われたよ
自分の子にも残せるし
言葉のまま受け取るのは要注意です。
2.資産とは
簿記の世界では、確かに土地と建物は資産として仕分けされます。
「戸建て住宅は資産である」この言葉に嘘はありません。
しかし、私たちにとって資産とは、
売却時、購入した価格より上がっているもの(価値が下がりにくいもの)
ではないでしょうか。
注文住宅の価値って、何で決まるの
注文住宅の価値=建物+土地の価値
建物の価値、土地の価値についてそれぞれ話します。
3.建物の価値は、減価償却
減価償却とは
国税庁では、このように説明しています。
事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。他方、土地や骨とう品などのように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産ではありません。
経年によって価値が減少する資産を減価償却資産といいます。
建物は、減価償却資産なんだね
木造だと22年で価値は0に
構造体によって耐用年数が定められており、
- 木造…22年
- 軽量鉄骨造(骨格材肉厚が3mm以下の場合)…19年
- 重量鉄骨造(骨格材肉厚が4mm以上の場合)…34年
- 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造…47年
木造の住宅の場合、耐用年数は22年になるので、新築で住宅を建てても、資産としての価値は、22年後には0になります。
え、22年で建て直し?
あくまで法律上の価値で、住み続けることができるよ!
4.土地の価値は需要と供給
土地の価値とは
これは広さと立地で決まります。
土地の広さ
土地の広さは、坪単価や平米(㎡)で表します。
坪数や平米数が多ければ多いほど、価値が高くなります。
土地の価値=1坪あたりの単価×坪数で決まります。
1坪あたり40万の土地 30坪の場合、、、
40万円×30坪=1200万円だね
駅やスーパー、病院など生活に必要な施設が充実している立地であれば、需要が高いので地価も高くなります。
逆に車の使用が前提の郊外は需要が低く地価が安くなります。
空き家は郊外に多い
国土交通省の令和元年空き家調査によると、駅から離れるほど空き家が多くなっています。

郊外に家を建ててしまうと、いざ売却するときに買い手があらわれない可能性があります。
人口減少による空き家の増加
総務省の統計調査によると、住宅の総数は増加しています。
人口が減少する一方、住宅数が増加しているので、当然空き家が増えます。


引用:総務省HP(令和5年住宅・土地統計調査住宅数概数集計結果)
今後も人口減少が続けば、需要より供給が多い、買い手市場になる可能性が非常に高いと予想されます。
5.資産となる注文住宅は存在しないのか。
中には、売却価格が購入価格よりも高くなる物件もあります。
それは、土地の価値が上がる(下がりにくい)場所に家を建てることです。
- 都心
- 駅近
- 都市開発(予定)地域
これらの地域は、人口減少のリスクは少なく、地価の上昇の可能性もあります。
建物の価値が下がっても、土地+建物で考えたときに価値が下がりにくい物件となります。
ただし、これらの土地は購入時、すでに地価が高い可能性もあるため、上昇する土地かどうか見極める必要があります。
6.まとめ
- 建物の価値の減少
- 人口減少による買い手の減少
持ち家は資産になりにくい。
需要のある土地だけが資産として残る。
なんだか夢がない。。。
こう書くと私は賃貸派だと思われるでしょうが、持ち家派です!笑
ただし、皆さんには後悔した家づくりをしてほしくありません。
そのためには、リスクを知った上で検討するべきだと思い、
自分にとっても耳が痛い話をさせていただきました。
次回、リスク続きます!😢